158話 2020 秋田大学 過去問大問8【解答解説】

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2020年度秋田大学の過去問を解いたので解答・解説をしていく。

今回は前期日程の問題を解いた。

大問自体は全学部9題ある用紙を配布されるが、そのうちどの大問を選択して解答するかは学部学科によって異なるため注意して欲しい。

学部ごとにどの大問を選択すれば良いかは以下画像の赤枠内参照。

秋田大学『令和2年度個別学力検査問題』より表紙を引用

それでは、早速見ていこう。

問題

以下のURLは大学の公式HPから入試問題へのリンク。

問題はそちらから確認して欲しい。

URLからのリンクが怖い方は『秋田大学 過去問』で検索してみて欲しい。

目安時間:18分

2020年度 秋田大学 前期日程 数学

https://www.akita-u.ac.jp/honbu/exam/pdf/r2_zenki/r2zenki_05.pdf ]

※上記URL:国立大学法人秋田大学HPホーム > 入試情報 > 過去問題 > 令和2年度 > 前期日程 > 数学

※過去8年分が公式HP(下記URL)から閲覧できます。(2021年8月18日時点)

※掲載終了している可能性もあります。

参考URL『国立大学法人秋田大学HP>入試情報>過去問題』
https://www.akita-u.ac.jp/honbu/exam/ex_pastissues.html

まず、実際に解いてみて欲しい。

頑張って。




解けたでしょうか?



それでは解答解説をしていこう。

解答・解説

概評

秋田大学は偏差値42.5〜62.5の国立大学(2021年8月18日時点 パスナビ調べ)。

大問8は数列と極限の問題だ。

難易度としてはGMARCHレベルだろうか。

今回の問題は大きく分けて

  • 座標平面の設定
  • 数列の作成
  • 極限を調べる

という3つの山がある。

間違えてしまった人はそれぞれの発想と方針のどこで間違えてしまったのかを分析していこう。

計算もそんなに複雑なものはない。

初見では悩んでしまう部分もあると思うが、全て基本解法を押さえていれば解答を見て(あ、その知識ね!)とすぐに理解できるだろう。

時間について、筆記の分量もそんなにないため計算をスムーズに行えれば20分で余裕がある程度ではないだろうか。

それでは解答を見ていこう。

(1)数列の作成

解答

解説

全体の流れや基本方針としては次の通り。

  • P1の座標の設定
  • 他の点の座標設定(一般化出来なければn=2のみで十分)
  • グラフの概形の把握
  • 周及び面積を求めにいく

全体像を理解したら、それぞれなぜそう考えるかというところを深掘りしていこう。


数列問題において、(1)でn=2,3などの具体的な値を調べさせるというのは鉄板だ。

ここでしっかり規則性を捉えておくことでこの後の一般化が楽になる。

まず、P1を固定しないと図形がくるくる回ってしまうため、P1の座標だけ決めてしまおう。

P1さえ決まればその後は360°を2n等分してPkはそれぞれ勝手に座標が決まっていく。

ここで、今回「P1から1点おきに原点との距離が1になる」というところから

単位円に関する問題 → 三角比の座標が有効

という発想が1つ目のポイントだ。

その発想に至れば一般化してPkの座標を三角比で表すことができる。

『単位円と座標→三角比で設定』というのは難関校でよくある発想なのでしっかり押さえておこう。

一般の座標が見えたら、今回n=2を考えて周と面積を考えれば良い。

その際、ひし形になることから対称性を利用できる、すなわち、すべての辺を求めずとも1本調べれば良いことを把握しておこう。

(2)数列の極限

解答

解説

全体の流れや基本方針としては次の通り。

  • n=3,4などで規則性の把握
  • 求める面積をnで表す
  • 極限の計算

(1)を終えている時点でPkの座標は分かっているため、ここから先の(2),(3)は周と面積にのみ焦点を当てればいい。

まず、2n角形の面積を把握するためにn=3,4くらいで実験してどんな規則性があるか確認しておこう。

n=3,4をサッと描いてみればPkPk+1間の距離が全て等しいのが見える。

ここから合同な図形が見え、面積を求められる。

面積は三角形であるため求め方は色々ある。

「底辺と高さ」、「2辺と間のsin」、「座標→ベクトルの利用」などどれでも求めることはできる。

極限計算においては「三角関数&極限」から鉄板の形(次の3つ)を思いつき、そこを目指して式変形していけばよい。

(3)数列の極限

解答

解説

全体の流れや基本方針としては次の通り。

  • 周の長さをnで表す
  • 極限計算をする

(2)で合同な図形を考えられているため、方針決めも迷わず立式自体はすぐできる。

解答の通りベクトルからでも余弦定理からでもP1P2は求めることができる。

ベクトルの方が内積部分の計算が楽であると判断して自分はベクトルで解いた。

あとはこの極限を求めればよいのだが、計算が少し大変だ。

方針決めが楽な分、計算でしっかり時間を使ってミスしないのがポイントだ。

三角比と極限から(2)同様3つの形を意識して式変形をしていくといい。

さいごに

以前ベクトル道場で解いた一橋大学の問題でも座標設定について同様の発想があった。

座標設定のみ類題『27話 ベクトル道場2 〜2020 一橋大学(前期) 大問3〜

そもそも三角比は単位円周上の座標で定義されているため相性がいいのは当然だ。

とはいえ忘れがちな部分でもあるため、円についての問題で座標設定をする際は三角比の利用という発想を1つ持っておくと良い。

自分もついつい(x,y)で座標をとってしまうが、もっと柔軟に座標は取れるようにしよう。

今回方針決めも計算もそこまで難しくないため、実際医学部を受験する人は完答を目指していきたい。

解いた方お疲れ様でした。

これからも一緒に頑張っていきましょう。

その他過去問を解く人はこちらから → 『特集 過去問振り返り まとめ

本ブログの解答解説は大学が公式に発表しているものではなく、あくまでブログ著者が独自に執筆した解答であることをご了承ください。
尚、解答解説の作成・公表にあたり十分に注意をしておりますが、万が一解答に誤りがあった場合にも責任は負いかねます。
コメントいただければ確認、修正致します。
何卒よろしくお願い致します。

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