Q.家から500m離れたコンビニの卵が100円、1.5km離れたスーパーの卵が80円。あなたはどちらに卵を買いに行きますか?
当然正解はない。
さて、効率や生産性を求める人はどちらを選ぶ割合が多いだろうか。
答えは前者の近くのコンビニに行く割合が多いだろう。
なぜか。
効率化や生産性を求めると時給思考に至ることがある。
時給思考とは、自分の1時間あたりの単価はいくらかを考える思考のことだ。
例えば、月給が20万の人が毎月22日間8時間(計176時間)勤務だと仮定すると、
200,000[円]÷176[時間]≒1,136[円/時間]
となる。こうして考えるとアルバイトと同じ額のようにも思えるが、実際はボーナス等も加味されるため異なるかもしれない。年収で計算するのが1番正確だ。
こうして自分の時給を確認することで、何か行動する時に「それは自分がやる必要があるのか」、「それは自分のためになるのか」といった行動の目安にすることができる。
では、なぜ時給思考の人は最初の問いに対して、近くのコンビニを回答するのだろうか。
答えは単純で、遠くのスーパーに移動してる時間で20円分の損をしてしまうからだ。
時給1,000円の人であれば分給約16.7円だ。
そして、近くのコンビニと遠くのスーパーの差は1km、往復にして2km。
よって、往復の2kmを1分20秒で移動できなければ、損をする計算になる。
そのため時給思考であれば、近くのコンビニに行き、早く帰った時間を活用して生産的な活動を行うはずなのだ。
時給思考は効率性や生産性を重視する時に、大事な思考法になる。
「近代三種の神器」とも呼ばれるドラム乾燥機付き洗濯機・ロボット掃除機・食洗機の購入を勧める時短(効率)主張者達はこの時給思考で発言をしていることが多い。
ここで一つ疑問。
本当に近くのコンビニに行った方が効率的なのだろうか。
確かに時間は確保できる。
その時間で自分の価値を高める活動をすれば今後のためにもなるだろう。
しかし、手元の財布を見てみると20円多く払っているのが現実だ。
お金に余裕があり、生産的な活動を行う時間が欲しい人にとっては近くのコンビニは魅力的だ。
だが、時間に余裕があり、家にいてもお金を稼ぐことのない人にとっては支出を抑えることの方が優先度は高く、遠くのスーパーの方が魅力的なはずだ。
そういった面で、専業主婦がスーパーの特売セールに押し寄せるのは理に適っていると言える。
時短思考は時間を量産できる代わりに現在の手持ち金を対価とする。
そのため、本当に目先の家計が苦しい人にとってはそもそも選べない選択肢のはずだ。
もし時短思考を選べば、当然破産する。
将来への投資は現状が整って初めて成立するのだ。
自分は効率化や時短といったことが大好きだが、現状の確認が足りていないようにも思う。
時給思考に囚われず、しっかりバランスを取って活動できる事を心掛けていきたい。
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