61話 2020年度 東京都市大学 過去問振り返り

ep-math

2020年度 東京都市大学入試問題を解いたので、振り返りと一般化をしておこうと思う。

解説という訳ではなく、あくまで自分用のまとめみたいなものだ。

本問題の閲覧は、大学入試パスナビに無料で見ることができるため興味があれば見てみてもらいたい。

→大学入試パスナビ『https://passnavi.evidus.com/search_univ/3080/kakomon.html


全体

先に問題形式などの確認をしておこう。

時間90分
入試科目数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B
出題形式筆記
問題数大問4つ

次に概評。

全体としては基礎問題のみで構成されている。

教科書の練習問題がしっかりできていればできるくらいの印象だ。

大問4つとはいえ小問は多く、時間配分だけ注意が必要そうだ。

とはいえ、処理は分かりやすいので、演習を多少積んでおけば時間もそんなに問題ないだろう。

受ける人は早い段階で一度過去問を解いておくと良いと思う。

単元の内容理解を確認するといった意味で、学校で一通り単元を学習したら解いてみても良いかもしれない。

大問1(直線の方程式、複素数(実部・虚部問題)、微分)

小問3つで構成されており、単元も様々。

それぞれの内容は題の通り。

処理だけ確認していく。

(1)直線の方程式

直線の方程式を求める問題。

与えられた条件「通る2点(文字定数)、交わらない直線」

2直線が交わらない … 平行

xとyの変化量と傾き条件から処理

(2)複素数(実部・虚部問題)

複素数の実部・虚部を求める問題。

与えられた条件「等式条件」

実部・虚部を求める問題は複素数zをa+biもしくはr(cosθ+isinθ)とおいて処理。

どちらかで表すかは与えられた条件による。

角度や累乗についての条件は極形式と相性がいい。

そうでない場合や有理数や整数などはa+biと相性がいい。

今回の等式条件は実部と虚部の比較で求められるため、a+biで良い。

本問題は係数比較で終了だ。

(3)微分

ただ微分をするだけの問題。

合成関数の微分ができればいい。


大問2(微分と接点、級数、絶対値を含む積分)

小問3つで構成されており、単元も様々。

それぞれの内容は題の通り。

処理だけ確認していく。

(1)微分と接点

文字係数の対数関数と一次関数が接する時の文字係数の値を求める問題。

具体的な関数の傾き … 接点を定めて微分係数で処理

接点が分からない時に接点を自身で定めるのはテンプレ。

文字を定めたら変域を必ず確認。

(2)級数

0より大きく1より小さい既約分数で、分母が200であるものの総和を全て求める問題。

条件を満たす分数を確認して、その総和を計算する。

条件自体は2の倍数と5の倍数を除けばいい。

あとはシグマ計算。

(3)絶対値を含む積分

絶対値を外す … 正負で場合分け。

場合分けをしたらあとは整関数の積分なので計算するのみ。

計算ミス注意。


大問3(分数関数の接線と積分、不等式証明)

(1)接線の方程式

微分係数と通る点から接線の方程式を求める問題。

手順は以下の通り。

  1. 微分して微分係数求める
  2. y-f(a)=f’(a)(x-a)に代入

(2)台形の面積

接線とx=●で囲まれた面積を求める問題。(今回は台形)

上底、下底、高さが分かれば終了のため、それぞれを求めたい。

(3)定積分

分数関数の定積分。

今回は簡単な関数のため、普通に計算すればいい。

(4)不等式証明

分数の級数に関しての不等式証明。

(4)であることから今までの結果を扱うことが予想されるが、扱い方に悩みそうな問題。

ただ、(2),(3)までを丁寧に図示していけば丁寧な誘導になっている。

(2),(3)からすでに大小関係は見えていて、あとは(4)を満たす形に変えていく問題。


大問4(分数関数)

(1)分数関数のグラフ

分数関数の増減を調べグラフをかく問題。

数学Ⅲのグラフの図示は以下の手順でできる。

  1. 微分してf’(x)=0となるxを求める
  2. 増減表をかく
  3. 左右と不連続点の極限を求める
  4. 極値やy座標を求める

今回も上のテンプレ処理で対応できる。

(2)実数解の個数(方程式の逆算)

一見、(1)と独立した問題のように見える。

解の個数とは、共有点の個数とも言い換えることができ、グラフ処理が可能。

定数分離や0分離ができたら行う。

今回は定数分離をすると(1)と同様の形が見える。

あとは(1)のグラフを参考に解(共有点の個数)を数えればよい。

他に、本問と以下の式は直接の関係はないが、例えば

k(x-1)=(x-1)(x+1)

の時、kの値によらずx=1は解であることには注意。

つまり、解の個数を数えるときは必ず1個以上持つことになる。


さいごに

今回はそこまで難易度が高くないため、上位層はまず得点を取りこぼさないだろう。

満点も一定数いそうだ。

今回も計算ミスやちょっとしたミスが命取りになってしまう。

今回の問題は復習こそそんな多く必要はないと思うが、満点を取れる必要はある。

やって良かった問題だった。

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