2020年度 小樽商科大学入試問題を解いたので、振り返りと解法の確認をしておこうと思う。
解説という訳ではなく、あくまで自分用のまとめみたいなものだ。
各大問の解答・解説は別記事で行っているのでそちらを参考にしてもらいたい。
この記事はあくまで大問ごとの大きな基本方針を述べるに留める。
では、まずは問題から見ていこう。
問題
※現在問題は非公開とさせていただいております。
過去問題は大学公式の問い合わせホームから直ちに請求できます。
費用もかかりませんので是非行ってみてください。
公式サイト『国立大学 小樽商科大学 受験生サイト-過去問題請求ホーム』
全体
先に問題形式などの確認をしておこう。
時間 | 100分 |
入試科目 | 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B |
出題形式 | 筆記(解答のみ記入もあり) |
問題数 | 大問4つ(必答3題、2題のうち1題選択有) |
次に概評。
全体としては典型的な問題が多く、うち少し複雑な計算や思考を求める問題で構成されている。
教科書の練習問題をしっかり理解した後、演習を積んでいく必要ありそうだ。
典型的な問題を悩まず処理していければ時間は十分にある印象だ。(自分は60分程度でとりあえず全て解き終わった)
演習を積んで典型問題の引き出しを瞬時にできておくようにしていく必要がありそうだ。
非常に難解な工夫が必要ということは今年度はなさそうだ。(例年もない様子)
大問1【直線の方程式、指数・対数方程式、整式の除法・整関数の積分】必答
小問3つで構成されている。
単元は様々で(1)空間座標、(3)積分方程式と受験生が苦手そうな範囲ではありそうだ。
難易度自体はそこまで難しくはなく、問題文に惑わされず基本通りの処理と計算をしっかりしていけば完答できる。
解答・解説 → 「68話 2020小樽商科大学 過去問大問1【解答解説】」
(1)直線の方程式
通る2点が与えられているため、直線の方程式を求めることができる。
あとは直線の方程式に通る点P,Qを代入して座標が求まり,中点が求めるという流れ。
(2)指数・対数方程式
t=2x (x>0) とおいて3次方程式に変換。
因数定理で因数分解して解ける。
(3)整式の除法・整関数の積分
条件を使って剰余の定理よりP(x)を表す。
あとは積分方程式に代入して求まる。
大問2【三角関数の最大・最小】必答
典型的な問題。必ず得点したい。
誘導がかなり丁寧についているが、(3)だけ出題されても解けるようにはしておきたい。
本問はしっかり誘導に乗っていけば良い。
解答・解説 → 「70話 2020小樽商科大学 過去問大問2【解答解説】」
(1)変数 t への変換
取り得る値の範囲は三角関数の合成の合成より求まる。
(2)三角関数から整関数への変換
tを2乗することにより積を得ることができる。
あとは与式を加法定理を用いて和と積で表せる。
(3)三角関数の最大・最小
(2)でyはtの関数として表すことができ,(1)の範囲が定義域となる。
tの2次関数の最大・最小を求めればよい。
平方完成して定義域確認して求まる。
大問3【集合の個数、色々な数列、確率・整数】必答
(2),(3)は見慣れた問題とは言えない形かもしれないが,図示や具体化・実験をしてみることですぐに分かりやすい問題に変換できる。
手を止めて悩まず,何を求めたらいいのかイメージをしっかり掴んでいくことが重要だ。
解答・解説 → 「71話 2020小樽商科大学 過去問大問3【解答解説】」
(1)集合の個数
個数定理を用いて求まる。
求める集合が分からない場合はベン図をかいて把握する。
(2)いろいろな数列
一見すると級数としてどう立式するか悩むが,9までの数の積の和程度は具体化して求めてしまえばいい。
表をかいたり実際に四則演算の式を書いて求めればそんなに知識は必要がない問題。
(3)三角形の面積・整数・確率の基本性質
3点が与えられた三角形の面積はベクトルの成分ですぐに求まる。
その発想がなくても図示をすれば面積は求まる。
その後面積が整数となるのはどういう条件の時かを考えればよい。
大問4【集合の個数、色々な数列、確率・整数】選択
(1)の相似の証明は非常に示しやすく,(2)は相似比を用いて面積の最大・最小を求める。
大問5とどちらを解くかは選択できるため,しっかり考える必要はありそうだ。
とはいえ,どちらの難易度も変わらないため,個人的には得意・不得意で選べばよいと思う。
解答・解説 → 「72話 2020小樽商科大学 過去問大問4【解答解説】」
(1)三角形の相似
正三角形に関わる相似の証明のため,60°という角が上手く働く。
分からない角度はθとおいて相似の証明をしていく。
今回は「2つの角がそれぞれ等しい」相似条件で示せる。
(2)面積の最大値
(1)の相似より相似比を求めて面積を変数で表す。
あとは関数の最大値を求めればよい。
今回は3次式の最大値を求めればよいため,微分して増減表から求める。
大問5【集合の個数、色々な数列、確率・整数】
図形の面積問題。
対数関数を扱うため,数学Ⅲが苦手な人は大問4選択が良いだろう。
問題自体は基礎的なため,グラフがしっかりかけて積分さえできれば問題はないだろう。
解答・解説 → 「73話 2020小樽商科大学 過去問大問5【解答解説】」
大問5 対数関数を含む面積
まずは状況を整理するため図示をする。
図示をしたら求めたい面積を求めるためにはどこを求めてどこを除けばいいかをちゃんと判断すれば良い。
さいごに
全体的に難易度は教科書を逸脱しないレベル。
GMARCH志望の人は合格点取れるくらいになっておきたい。
日東駒専志望の人は丁度いい難易度帯ではないだろうか。
練習として解いておくことをオススメしたい。
現役生は練習に最適ではないだろうか。
逆に小樽商科大学を志望している人は日東駒専あたりはいい練習になるのではないだろうか。
分からなかった問題はしっかり復習して着実に理解していこう。
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