2020年度神戸大学の過去問を解いたので解答・解説をしていく。
今回は前期日程(理科系)の問題を解いた。
文科系の問題ではないことには注意してもらいたい。
それでは、早速見ていこう。
問題
以下のURLは大学の公式HPから入試問題へのリンク。
問題はそちらから確認して欲しい。
URLからのリンクが怖い方は『神戸大学 過去問』で検索してみて欲しい。
目安時間:20分
2020年度 神戸大学 前期日程 数学
[ https://www.office.kobe-u.ac.jp/stdnt-examinavi/wp-content/uploads/2020/08/03.suugaku_rikei.pdf ]
※上記URL:国立大学法人神戸大学HPホーム > 入試情報 > 学部入学案内 >入試問題及び出題の意図など > 2020年度一般入試(入試問題/出題の意図・評価ポイント/解答例)> 前期日程 数学 理科系 問題
※過去4年分が公式HP(下記URL)から閲覧できます。(2021年8月29日時点)
※掲載終了している可能性もあります。
参考URL『国立大学法人神戸大学HP>入試情報>学部入学案内>入試問題及び出題の意図など』
https://www.kobe-u.ac.jp/admission/undergrad/examin/index.html
まず、実際に解いてみて欲しい。
頑張って。
解けたでしょうか?
それでは解答解説をしていこう。
解答・解説
概評
神戸大学は偏差値55.0〜67.5の国立大学(2021年8月30日時点 パスナビ調べ)。
大問4は数Ⅲで扱う関数と極限の問題だ。
難易度はGMARCHレベルの問題。
関数の見た目はよく見る形で馴染み深い。
しかし、解法は中間値の定理やはさみうちの原理などで受験生が意識しづらい形であるため、決して優しくはない。
思いつく人にとってはそこまで難解ではなく、思いつかない人は手が進まないという差がつく問題のように思う。
忘れがちな公式であるからこそ、ここで学べたことを武器として本番でミスをしないようにしていこう。
それでは解答を見ていこう。
(1)関数の最大・最小、中間値の定理
解答
解説
答えるべきことは「f(x)が最大となるようなxの値がただ1つ存在することを示せ」となっているが、そのために考えるべきことは「f(x)の最大の瞬間がいくつあるか知りたいからf(x)の増減表を書こう」ということだ。
「ただ1つ」の示し方も考えたが、そもそもf(x)が定義域内でどのような概形なのかを把握しないと始まらない。
そこで解答の方針は次の通りに決まった。
- fを微分して
- f‘(x)=0となるxを求めて
- 増減表をかく
方針が決まった後は淡々と計算していこう。
微分して0かどうか分からない時はもう一度微分しよう。
その際、分母はx2で0より大きいことが分かるため、分子さえ把握すればいい。
あとは分子をg(x)とでもおき、g(x)の符号に着目して考えていく。
するとg(x)の単調減少が見えるため、では両端を調べて符号がどうなっているかどうなっているかを考える。
すると、両端で符号が異なるため、必ずどこかで0を通ったことが分かる。
その値自体は直ちには求められないため、何か文字でおいてそのまま解答を進めよう。
g(x)の符号変化が分かるということはf’(x)の符号変化が分かるということで、f’(x)の符号変化が分かるということはf(x)の増減表を書いて概形を把握できるということだ。
f(x)の増減表をかくと、先ほど文字でおいた値のみで最大値をとることが分かるため、解答を得る。
(2)数列の極限
解答
解説
まず、三角関数を含む極限で考えたいのが次の形だ。
ただ、これはあくまで三角関数の変数が限りなく0に近づく時に有効な手法であり、それ以外では有効ではない。
今回はそもそも変数部分(xn)がn→∞でどのように振る舞うかが分からない。
では、xnをnの式で記述しよう!ともなるのだがそれが難しい。
「xn=tan(xn)となるxnはなにか」と聞かれても難しいのではないだろうか。
そこで方針転換。
三角関数は上記の有名な形の他に、「-1以上1以下」という不等式で表せるためはさみうちが有効に扱える。
今回は「−1以上1以下」ではないが、「不等式と極限」という状況からはさみうちの原理を考えられるようにしよう。
ただ、「−1以上1以下」のような不等式では問題文で与えられず自分の知っている知識から引っ張ってこなければいけないため、
- 三角比は有名な形(上記画像)
- 「−1以上1以下」を利用してはさみうちの原理
というのを押さえておこう。
また、三角関数に限らず不等式と極限でははさみうちの原理を解法の候補に入れられるように知っておこう。
さいごに
はさみうちの原理や中間値の定理、調和数列や相加・相乗平均、方べきの定理は自分の中で思い出しにくい解法ランキング上位であるため、逆にその単元の学習をすると強く意識してしまう。
そういった形で自分の弱点を把握しておくと解法を考える際に思い出しやすいため有効であるように思う。
また2ヶ月後くらいに解いて思い出す練習をやっておきたいと思える問題だった。
解いた方はお疲れ様でした。
これからも一緒に頑張っていきましょう。
その他過去問を解く人はこちらから → 『特集 過去問振り返り まとめ』
本ブログの解答解説は大学が公式に発表しているものではなく、あくまでブログ著者が独自に執筆した解答であることをご了承ください。 尚、解答解説の作成・公表にあたり十分に注意をしておりますが、万が一解答に誤りがあった場合にも責任は負いかねます。 コメントいただければ確認、修正致します。 何卒よろしくお願い致します。
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