89話 2020 金沢大学 過去問大問1【解答解説】

ep-math

2020年度 金沢大学の過去問を解いたので解答・解説をしていく。

今回解答・解説をするにあたり、前期日程を扱っている点には注意してもらいたい。(後期日程ではない)

早速見ていこう。

問題(大問1)

目安時間:25分

2020年度 金沢大学 前期日程 数学(理系)

[ https://www.kanazawa-u.ac.jp/wp-content/uploads/2020/04/02-2-2sugaku_rikei_zenki.pdf ]

※上記URL:国立大学法人金沢大学HP 「過去問題及び正解・解答例」ページより 令和2年度入試 前期日程 理系数学

※過去3年分が公式HP(下記URL)から閲覧できます。2020年度分が掲載終了している可能性もあります。

参考URL『国立大学法人金沢大学HP-過去問題-』
https://www.kanazawa-u.ac.jp/education/admission/kakomondai

まず、実際に解いてみて欲しい。

頑張って。




解けたでしょうか?

それでは解答解説をしていこう。

解答・解説

概評

金沢大学は偏差値50.0〜65.0の国立大学(2021年6月17日時点 パスナビ調べ)。

大問1は確率問題。

図形の決まり方は大問で共通、あとは小問ごとの条件を考える形式だ。

サイコロの目により三角形の座標が決まり、その図形が条件を満たす確率を考える。

図示は非常にしやすく、図形問題としては簡単と言える。

あとは直角三角形や二等辺三角形のという有名な定義から考えることができる。

確率の計算自体もシンプル。

全ての大問の中で最も簡単であると言える。

この年の合格者にとっては、おそらく完答が前提の問題なのではないだろうか。(計算ミスなどはあるかもしれない)

(1)三角形の面積、整数

解答

解説

まずは大問で問われている三角形がどんな状況かを図示して考える。

次に、図示したあとは小問の条件である「面積の値が整数」となるような状況を考える。

面積をどう求めるかでは、座標設定で底辺と高さが分かることから「(底辺)×(高さ)÷2」で求めることを考えよう。

(3頂点の座標が与えれているため、ベクトルの成分による解法でもすぐに求めることができる)

すると、b+cが偶数であればいいという条件を得ることができる。

整数において、2数の和が偶数となるのは、「ともに偶数」か「ともに奇数」しかないため、「bとcの偶奇が一致すればよい」ということが分かり、あとはその確率を求めれば良い。

bとcの偶奇が一致する確率については、bが偶数の場合cは何通り、bが奇数の場合cは何通り。というように考えればよい。

ここで、aの出た目は条件成立に全く関係がないため、aの確率を考慮する必要はない。(もしaの確率を考慮するのであれば、aは1〜6のどの目が出てもいいので確率は6/6=1)

(2)直角三角形の性質、確率

解答

解説

続いては直角三角形の条件を考える。

直角三角形であるというのは三平方の定理が成り立つことによって示すことができる。

あとは、どこが斜辺かを考えるためにどこが直角かをそれぞれ設定しながら考えていけばよい。

それぞれの状況を書き出しながら考えていく。

この際、∠B=90°があり得ないというのは直ちに分かり、それをしっかり述べていく必要がある。

他の角との関係性(内角の和)などからアプローチしてもよいし、明らかにおかしいことをしっかり言語化してもよい。

自分は後者で解いたため、解答は後者になっている。

他は90°である時の三平方の定理から立式し、立式後は整数であることから因数分解を考えていくことになる。

因数分解後、それを満たすようなa,b,cはそういった整数は存在するのか、存在するのであればどんな条件なのかを考えていく。

存在を考える際にはa,b,cがそれぞれ「6以下の自然数」という条件が効いてくるだろう。(a,b,cの存在について考えるわけだから、それらの条件が重要になってくるという発想だ)

あとは成り立つ条件のa,b,cについて確率を考えていけばよい。

(3)二等辺三角形の性質、確率

解答

解説

二等辺三角形であることは「2つの辺が等しい」か「2つの底角が等しい」ことから示せる。

今回は3頂点の座標が分かっているため、辺の長さが「2点間の距離」から求められる。

よって、「2つの辺が等しい」ことから示していくのがいいだろう。

あとは3辺から等しい2つの辺を選び、それぞれそうなる条件を立式してそれらを満たすa,b,cが存在するかを確認していけばよい。

立式後、a,b,cについての式を得ることができたら先程同様因数分解で考ればよい(直ちに分かる場合は因数分解すら不要)

二等辺三角形が成り立つようなa,b,cの存在が言えた場合にはそれがどういう状況なのかを把握し、確率を求めていけばよい。

状況把握さえできていれば、所詮はサイコロの目についての問題のため、基本的な確率の知識で解けるはずなので心配しなくて大丈夫だ。

(2)を解けた人にとっては、(3)を解く途中、あるいは解く前に(同じ作業じゃん)と感じるような問題というわけだ。

さいごに

公式の模範解答はこちら

https://www.kanazawa-u.ac.jp/wp-content/uploads/2020/04/02-2-02sugaku_rikei_zenki.pdf

参考URL:国立大学法人金沢大学HP 『過去問題及び正解・解答例』より令和2年度 前期日程 数学(理系) 正解・解答例

問題の難易度としては私立ではGMARCHレベルでも簡単めというのが妥当だろう。

GMARCH志望の人などはしっかり解けるようになっておきたい。

また、金沢大志望の人はこれはあくまで最低レベルだと思って学習に取り組んだ方がいいだろう。

あなたが目指している金沢大学はちゃんともっと難しい。

図形・整数・確率に関して複合的な問題ではあるが、どれも基礎的な解法の複合ではあるため解けるようにしておきたい。

こういった簡単な知識も複合して聞いてくるあたり、国立大学の問題には惚れ惚れしてしまう。(私立も私立で好きだが)

楽しみながら学んでいこう。

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