2020年度弘前大学の過去問を解いたので解答・解説をしていく。
今回は理工学部数物科学科数学選択者のみが解く問題を解いた。(理系の共通問題ではないので注意)
理系の共通問題は『137話 2020 弘前大学 過去問振り返り』の記事にまとめてあるため、そちらを参考にしてください。
解説という訳ではなく、あくまで自分用のまとめみたいなものだ。
各大問の詳細な解答・解説は別記事で行っているのでそちらを参考にしてもらいたい。
リンクは各大問の概評に貼ってある。
この記事はあくまで大問ごとの大きな基本方針を述べるに留める。
その問いを初見で見た時にどう考えると解法が見えるかの言語化に注力している。
では、まずは問題から見ていこう。
問題
試験時間(目安):90分
2020年度 弘前大学 前期日程 理学部 数学
[ https://nyushi.hirosaki-u.ac.jp/wp-content/uploads/2020/05/R2ze-su3.pdf ]
※上記URL:国立大学法人弘前大学HP 『過去の入試問題』ページより 令和2年度 前期 数学③ⅢB
※過去3年分が公式HP(下記URL)から閲覧できます。掲載終了している可能性もあります。参考URL『国立大学法人弘前大学HP-過去問題-』
https://nyushi.hirosaki-u.ac.jp/faculty/previous-exams/
解くのを楽しみにしてる方は是非解いてみてほしい。
楽しめると思います。
では、解説していこう。
全体
先に問題形式などの確認をしておこう。
時間 | 90分 |
入試科目 | 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B |
出題形式 | 筆記 |
問題数 | 大問3つ |
次に概評。
全体の難易度は日東駒専以上GMARCH以下といったところだろうか。
GMARCH志望の人は合格点を取りたいところだ。
とはいえ、大問4や大問5(2)はGMARCHで出ても良いくらいの難易度のように思う。
逆に大問5(1)や大問6は正答率が結構高そうだ。
個人的には大問5(2)は不正解率が高く、合格者とそれ以外で差がつくのは大問4のように思う。
時間的な余裕は十分あり、(解けない問題は置いておいて)50分もあれば一通り解き終わるのではないだろうか。
ゆえに、志望する人は時間の対策より問題に対峙した時の「この問題おそらくこのタイプか、あのタイプだろうな」と類似問題から類似解答を引っ張れるような能力の方が求められる。
また、弘前大学全体を通じて計算力はかなり求めてくる傾向にあるので、自分が計算ミスしないような計算方法や必要な途中式の分量などを把握しておくと良いだろう。
さて、それでは各大問の解説をしていこう。
大問4概評
大問4は三角方程式の問題だ。
難易度としては少し高め(日東駒専以上GMARCHでの易問程度)で、解法が思い付かなかったという人も一定数いそうだ。
とはいえ、「t=sinθ+cosθとおいて」という一文があるだけで有名問題へと早変わりし、その場合は数学選択者であれば解けるべき問題とも言える。
今回は合成でも因数分解でも上手くいかず、置換の発想に至ったかどうか、すなわち、「あなたは類似問題から似たような解法を引っ張ってこれますか?」と問われているような問題と自分は受け取った。
解答・解説 → 「138話 2020 弘前大学 過去問大問4【解答解説】」
大問4(三角方程式)
三角比方程式において、sinとcosの和と積がある場合は「t=sinθ+cosθ」の置換を考えよう。
和と積がセットでなく、どちらかしか与えられていない時も最終判断として「t=sinθ+cosθ」の置換は考えられるようにしたい。
置換後の話はスムーズで、「2乗して積を得る」ということになる。
これは別に覚えるべき特殊な式変形というわけでもなく、単純に三角比は2乗に強い(2乗するとやれることが格段に広がる)ということで押さえておくと良い。
また、文字で置いたら必ず変域の確認をしよう。
これは変数変換の同値性を保つ(新しい文字で置いたために矛盾が起きないようにするため)だ。
「文字で置いたら変域注意」
これは忘れずに必ずやるようにしよう。
そこからは変数を t に換えて t の2次方程式を解けば良い。
大問5概評
大問5は関数の最大・最小と曲線の長さの問題だ。
関数の最大・最小は数Ⅲあるある処理なのでしっかり得点したい。
正答率も高いことが予想される。
一方,(2)の曲線の長さは対策をしていなかった人も少なくないだろう。
ここで点が取れると周りとかなり差がつくのではないだろうか。
解答・解説 → 「140話 2020 弘前大学 過去問大問5【解答解説】」
(1)関数の最大・最小
関数の最大・最小問題はやることが決まっていて、
やることは決まっていて、
- 微分して
- f’(x)=0となるxの値を求めて
- 増減表かいて
- (左方・右方極限を調べて)
- グラフイメージして
- 最大・最小を求める
という手順だ。
計算が少し大変だが、やることが決まっている以上は手を動かせば解答作成ができる。
計算ミスだけないように注意しよう。
(2)曲線の長さ
曲線の長さは公式を知っているかどうかが大きい。
公式もただ暗記するのは大変で忘れる恐れがあるため、証明できるまで言わないにしても、公式の意味のようなものは理解しておくと良い。
一気に公式代入が怖い時は解答のように計算過程を追っていくのがオススメ。
大問6概評
大問6は確率の問題だ。
難易度としては日東駒専レベルで、大問4〜6の中ではもっとも簡単な問題。
確率は(すぐに公式!)という発想をやめて、まず状況整理からしていこう。
樹形図や表、場合分けなどあるかの状況整理をした後、それぞれ求めていこう。
今回は「2色以下」の文言から場合分けを考えよう。
解答・解説 → 「141話 2020 弘前大学 過去問大問6【解答解説】」
大問6(確率、確率の加法定理)
「2色以下」の確率というように複数の確率を求める必要がある場合、直接求めるべきか余事象で求めるべきかを考えよう。
「少なくとも」「または」などの特別な表記がなくとも余事象は常に選択肢においておくべき解法だ。
今回は余事象の方が簡単に求められると思い余事象を選択した。
直接求めたい人はその解答で試してみても良いと思う。(根気と時間はいるが)
何が余事象か(ⅰ)〜(ⅲ)のように把握したらそれぞれの確率を求めよう。
この立式と計算自体は簡単だ。(と思えるようになろう)
あとは互いに背反であることから確率の加法定理が成り立つので結論を得る。
さいごに
公式の模範解答はこちら
https://nyushi.hirosaki-u.ac.jp/wp-content/uploads/2020/05/R2ze-su3_kaitou.pdf
参考URL:国立大学法人弘前大学HP 『過去の入試問題』ページより令和2年度 前期 数学③ⅢB 解答例
弘前大学の数学選択の問題だったが、やはり理系共通問題と比べて難しい印象を受けた。
逆に言えば、数学選択志望者は理系共通問題な完答目指して解けるようにしておく必要がある。
おそらく理系共通問題では高得点勝負になるだろう。
そこで遅れを取らないようにしたい。
もし時間があれば日東駒専の問題なども解いておくことをオススメする。
GMARCHで対策すると難易度が高いように思う。
日東駒専が解ける基礎知識+計算力をしっかり身に付ければ十分に戦えるのではないだろうか。
解けなくても焦らずゆっくり成長していこう。
数学は急に成績を伸ばすのが難しい。
着実に前進していこう。
自分も頑張ります。
解いた方、お疲れ様でした。
これからも楽しんでいきましょう。
その他過去問を解く人はこちらから → 『特集 過去問振り返り まとめ』
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