2020年度 学習院大学入試問題を解いたので、振り返りと一般化をしておこうと思う。
解説という訳ではなく、あくまで自分用のまとめみたいなものだ。
本問題の閲覧は、大学入試パスナビに無料して見ることができるため興味があれば見てみてもらいたい。
→大学入試パスナビ『https://passnavi.evidus.com/search_univ/2310/kakomon.html』
全体
先に問題形式などの確認をしておこう。
時間 | 90分 |
入試科目 | 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B |
出題形式 | 筆記(解答のみ記入もあり) |
問題数 | 大問4つ |
次に概評。
全体としては基礎問題のみで構成されている。
教科書の練習問題がしっかりできていればできるくらいの印象だ。
問題数も少なく、一問一問に十分に時間を費やせるように思える。(自分は40分いかない程度でとりあえず全て解き終わった)
現役生でもタイムオーバーでの減点というのは少なそうだ。
ゆえに、出題の内容を理解できた人がしっかり受かる形式と言える。
処理自体も複雑なものはなく、上手い工夫が必要というよりはしっかりした言い換え(同値変形)ができることを求められる。
受ける人は早い段階で一度過去問を解いておくと良いと思う。
単元の内容理解を確認するといった意味で、学校で一通り単元を学習したら解いてみても良いかもしれない。
大問1【複素数(実部・虚部問題)】
複素数の実部・虚部を求める問題。
与えられた条件「偏角条件、絶対値の値」
実部・虚部を求める問題は複素数zをa+biもしくはr(cosθ+isinθ)とおいて処理。
どちらかで表すかは与えられた条件による。
角度や累乗についての条件は極形式と相性がいい。
そうでない場合や有理数や整数などはa+biと相性がいい。
今回は角度が与えられているためr(cosθ+isinθ)で処理したくもなるが、偏角π/2よりri(rは正の実数)として数式処理が可能だ。
自分の中ではそこがポイントだった。
あとは各条件から一式ずつa,bに関する方程式を持ってきて連立させてあげれば終了。
大問2【確率と極限】
小問3つで構成されている。
求めた結果を扱いながら進んでいく、分かりやすい誘導問題の流れ。
(1)反復試行の確率
問題文は「nが現れない」確率であるから、nを除いたn-1通りで考えればよい。
「n回繰り返す」から反復試行の確率。
(2)余事象・和事象の確率
「少なくとも1回ずつ1とnが現れる」というところから余事象を考える。
そうすると「1またはnを一度も現れない」となるから(1)の利用を考えるとともに和事象の確率を考える。
(3)数列の極限
(2)で求めた確率Pnの極限を考える。
理系であればネイピア数(e)への収束は見ただけでピンと来たいところ。
大問3【不等式を満たすaの範囲(2次関数・絶対値を含む関数)】
一般化してしまえば「任意のxに対して,y>f(x)⇒y>g(x)を満たすaの範囲」を求める問題。
「yがf(x)より大きいとき、yは常にg(x)より大きくなる」わけだから「f(x)>g(x)」であれば良い
あとはそれを計算していく。
絶対値を含む不等式は場合分けを考えればいい。
「任意のxに対して」であることには注意したい。
大問4(分数関数の極値・回転体の体積)
(1)分数関数の極値
分数関数の極値とその時のxの値を求める問題。
グラフをかく問題と途中まで処理は全く同じ。
増減表を書けばいい。
数学Ⅲのグラフの図示は以下の手順でできる。(今回は手順2までで十分)
- 微分してf’(x)=0となるxを求める
- 増減表をかく
- 左右と不連続点の極限を求める
- 極値やy座標を求める
今回も上のテンプレ処理で対応できる。
よくやる操作なので抑えておきたい。
(2)回転体の体積
公式通り。
切断面が円になるわけだから、円の面積公式を書いて、それを積分で厚みを持たせる。
積分も基本的な形ゆえ特に大きな問題もないように思う。
計算がミスないように注意。
さいごに
今回はそこまで難易度が高くないため、上位層はあまり得点を取りこぼさないだろう。
今回も計算ミスやちょっとしたミスが命取りになってしまう。
一問一問が2,3個の基礎事項からなる問題で、単元の複合問題の導入としては適している問題かもしれない。
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