2020年度 東京電機大学入試問題を解いたので、振り返りと解法の確認をまとめておこうと思う。
解説という訳ではなく、あくまで自分用のまとめみたいなものだ。
各大問の詳細な解答・解説は別記事で行っているのでそちらを参考にしてもらいたい。リンク先は各大問の概評に貼ってある。
この記事はあくまで大問ごとの大きな基本方針を述べるに留める。その問いから学べることの言語化に注力している。
では、まずは問題から見ていこう。
問題
解くのを楽しみにしてる方は是非解いてみてほしい。
楽しめると思います。
では、解説していこう。
全体
先に問題形式などの確認をしておこう。
時間 | 90分 |
入試科目 | 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B |
出題形式 | 筆記 |
問題数 | 大問3つ |
次に概評。
時間としては90分で大問が3つ、大問1問あたり30分というと受験者的には丁度いいくらいだろうか。
決して短い時間ではないように思う。
もしも時間が不足しているのであれば、演習不足や計算処理に問題があるかもしれない。
大問1は基本方針が見やすい問題のため、駆け抜けるように解き、計算ミスだけないように注意したい。
実際は20分程度で大問1を解き、残り70で大問2,3に取り組むという感じが望ましいと思う。
全体の難易度としては教科書の節末問題レベルと言えるかもしれない。
基本的な問題と言えばそうだが、しっかり単元が理解できていないと解けないという意味では偏差値的にも適切な難易度のように思う。
他の学校で言えば、日東駒専の過去問などは良い練習になるのではないだろうか。
もしある程度単元の学習を終えて、入試問題で演習をしたいという人は日東駒専をお勧めしたい。
さて、それでは各大問の解説をしていこう。
大問1概評
大問1は様々な単元が集まった問題だ。
難問というものは特になく、教科書レベルの基本的な問題だ。
一問一問基本的な解法になるため、しっかり知っておきたい。
解答・解説 → 「85話 2020 東京電機大学 過去問大問1【解答解説】」
(1)対数関数・2次関数の最大・最小
対数方程式を解くにあたり注意したい点をまとめておく。
- 真数条件
- 底の統一,底の範囲
- 指数への変換
- 対数の加減は真数の乗除
- 対数の乗除(累乗)は置換を考える
今回も上記の例に則って計算していけばいい。
今回は真数条件をチェックし、2乗から置換を考える。
置換後は整関数(今回は2次関数)の最大・最小を考えれば良い。
(2)二項定理
二項の累乗 → 二項定理
各項がどうなっているかを二項定理で表し、定数項はxの指数が0になるとき。
(3)反復試行の確率
同じ操作をn回繰り返す →反復試行の確率
出る目の和 → 具体的に調べる
あとは出る目のそれぞれの場合を反復思考の確率により求めて、確率の加法定理(それぞれの確率を足すこと)によって求める。
(4)ド・モアブルの定理
複素数問題&累乗 → ド・モアブルの定理
ド・モアブルの定理を使うために、極形式で表せないものは極形式で表す。
(5)関数の極値
極値 → f’(x)の符号が変わるf(x)
微分して極値求めにいく。
増減表を書いても理解しやすくなる。
大問2概評
大問2はテーマが1つとそれに付随する小問が4問。
辺の長さが等しいところも多く、対称性を意識したい。
最後の計算が少しだけ不安になるかもしれないが、焦らず丁寧に計算すれば良い。
なお、小問一問一問の解法は基本的な解法になるため、しっかり知っておきたい。
解答・解説 → 「86話 2020 東京電機大学 過去問大問2【解答解説】」
(1)空間の位置ベクトル(ベクトルの分解)
ベクトルの分解問題 → 処理は以下の通り
- 始点と基準となる(1次独立な)ベクトルを設定する
- 比を考える(チェバ・メネラウス・図形の性質の利用)
- 始点と終点を含む直線を抜き出して立式
- 始点からの直線上(実数倍) or 始点を含まない直線上(係数の和が1)
- 係数を文字でおく
また、空間においての解法も定石はあり、
- 始点と終点を含む平面を切り取って平面で考える
- 似た問題からヒントを得る
- 図形を展開する
これらが有効で、特に空間を切り取って平面で考えるのは定石中の定石だ。
今回も四面体OABCの中から△OABを切り取って平面の位置ベクトルを考える。
平面に切り取りさえすれば、あとは内分点の典型問題通りに計算をしていく。
(2)空間ベクトルの内積
ベクトルの内積問題 → 処理は以下の通り
- 定義(大きさとなす角)
- 成分(同一成分の積の和)
- 大きさの2乗
- 正射影
今回は大きさを十分に与えられているため、定義か大きさの2乗。
大きさの2乗で求めても定義で求めても、どちらにせよやっていることは余弦定理。
cosθを求めて、あとは内積の定義より求めることができる。(ここでは大きさとなす角で表す内積を定義としている)
(3)空間の位置ベクトル(ベクトルの分解)
ベクトルの分解問題 → 処理は以下の通り
- 始点と基準となる(1次独立な)ベクトルを設定する
- 比を考える(チェバ・メネラウス・図形の性質の利用)
- 始点と終点を含む直線を抜き出して立式
- 始点からの直線上(実数倍) or 始点を含まない直線上(係数の和が1)
- 係数を文字でおく
また、空間においての解法も定石はあり、
- 始点と終点を含む平面を切り取って平面で考える
- 似た問題からヒントを得る
- 図形を展開する
これらが有効で、特に空間を切り取って平面で考えるのは定石中の定石だ。
今回も四面体OABCの中から△OPCを切り取って平面の位置ベクトルを考える。
平面に切り取りさえすれば、あとは内分点の典型問題通りに計算をしていく。
(4)ベクトルの大きさの最大・最小
ベクトルの大きさの最大・最小 → 2乗して考える
2乗すると大きさと内積こそあれどそれらを代入すればtの2次式になる。
あとはtの2次式の最大・最小は平方完成で求める。
大問3概評
大問3はテーマが1つとそれに付随する小問が3問。
この年の問題の中では一番難易度は高いかもしれない。
とはいえ、基本的な解法ではあるためしっかり学習しておこう。
解答・解説 → 「87話 2020 東京電機大学 過去問大問3【解答解説】」
(1)接線の方程式
接線の方程式 → ①「接点における」時はそのまま公式、②「ある点を通る」時は接点を設定して通る点代入
求められているのはPの座標 → Pの座標を文字でおく(文字の個数はなるべく少なくする)。
今回のPの条件は「 l と C の接点」。
まず、PはC上より、x座標のみ文字でおけばよい。
次に、PはCと l の接点より、方程式で表せる。
あとは l の通る点(原点)を代入することで求めることができる。
(2)定積分
指数関数の面積 → 積分
図示して求める面積(と関数の上下)を確認。
あとは定積分にて求める。
(3)回転体の体積
回転体の体積 → 直接求められれば直接求める。直接求められなければ図形を加えたり切り抜いたりしながら求めた部分を間接的に求める。
今回は三角錐を求めて、不要な部分を引くということでも止めることができる。
さいごに
東京電機大学は偏差値42.5〜55.0の私立大学(2021年6月13日時点 パスナビ調べ)。
一通り学校の単元が学び終わったら練習として扱ってみても良いかもしれない。
学んだ基本的な操作を視点を少し変えながら見ていくため、楽しい。
解いた方、お疲れ様でした。
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