2020年度北里大学の過去問を解いたので解答・解説をしていく。
今回は獣医学部獣医学科の問題を解いた。(理学部や獣医学部動物資源科学科、生命環境科学科ではないので注意)
それでは、早速見ていこう。
問題(大問4)
まず、実際に解いてみて欲しい。
頑張って。
解けたでしょうか?
それでは解答解説をしていこう。
解答・解説
概評
北里大学は偏差値40.0〜62.5の私立大学(2021年7月23日時点 パスナビ調べ)。
大問4は場合の数、順列、組合せの問題だ。
クとケの空白は基本的な問題で正答率は高そうだ。
その一方で、コの空白はそんなに大多数が正答というわけではなさそうだ。
ゆえに、志望者はコまでしっかり解けるかどうかが合格者になれるかどうかの分かれ目ということを意識して復習などをしてもらいたい。
大問4(場合の数、順列、組合せ)
解答
解説
「重複」と言われると累乗の形(48)を想定する人もいるかもしれない。
その発想は間違っていないが、今回は「組合せ」を問われているため、累乗の形で答えは得られない。
分からなくなったら簡単に具体化・実験をしてみると良い。
今回キの解答は「4個の中から重複を許して8個選ぶ」というのを「〇を8個、×を3個並べる」ということに言い換えて計算した。
これは
- 4個の中から重複を許して8個選ぶ
- 8個〇を並べる、〇では数字の区別がないため区別の仕切りとして〇の間に仕切りの×を3つ入れる
- 数字を表す〇を8個、区切りを表す×を3個並べる
といった思考の流れだ。
また、「それぞれ一個以上選ぶ」と言われたら「先に1個ずつ確定させてしまう」というのがポイントだ。
今回で言えば、8個選ぶと言いながらも0、1、2、3を1個ずつ選ばなければいけないため、先に1個ずつ選んでしまえばいい。
残りの4個を自由に選べばいいため、残りの4個で解法はキと同じだ。
最後に、クで難易度が上がる理由が場合分けだ。
場合の数の問題については「漏れなく、重複なく」数え上げれば間違えない。
自分が思い付いた方法がどうしたら「漏れなく、重複なく」数え上げることができるかのみ考えよう。
今回は1、2、3を1個ずつ選ぶことを考えたときに、残りの0の個数で場合分けを考えれば良い。
余事象的な発想で、注目するべき個数が複数のときは注目しないものの個数を気にするということだ。
1、2、3の個数については明らかに対称性があるため、1の個数に注目して、2と3の場合はそれが3通りで×3すれば良い。
さいごに
数学Aの分野が苦手な人に多いのが「どの公式を使えばいいか分からない」や「立式で間違いが起こる」というものだ。
そもそも、数学Aを公式どうこう考えるのはやめたほうがいい。
数学が得意な人は数学Aに限らず現状把握が上手い。
それは同値変形など示すべきものの把握でも活きていて、数学Aが苦手という人はそもそも「示すべきことがどうやったら示せるか」というところの思考が不足していることが多い。
こういった思考は難しいというのも分かるが、基本問題を解きながら訓練すれば偏差値65程度くらいは必ず身につく。
常に「なぜこの問題はこの解法なのだろう」、「この式はどのような状況で有効なのだろう」と使う式を抽象化して理解しておくと良い。
パターンで解けるものも多くあるが、問題文や表現を変えれば似たような問題すら解けなくなるなんてことはよくある話だ。
数学Aでは特に「なぜその式なのか」というところに着目しよう。
これからも頑張っていこう。
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