157話 2020 秋田大学 過去問大問7【解答解説】

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2020年度秋田大学の過去問を解いたので解答・解説をしていく。

今回は前期日程の問題を解いた。

大問自体は全学部9題ある用紙を配布されるが、そのうちどの大問を選択して解答するかは学部学科によって異なるため注意して欲しい。

学部ごとにどの大問を選択すれば良いかは以下画像の赤枠内参照。

秋田大学『令和2年度個別学力検査問題』より表紙を引用

それでは、早速見ていこう。

問題

以下のURLは大学の公式HPから入試問題へのリンク。

問題はそちらから確認して欲しい。

URLからのリンクが怖い方は『秋田大学 過去問』で検索してみて欲しい。

目安時間:20分

2020年度 秋田大学 前期日程 数学

https://www.akita-u.ac.jp/honbu/exam/pdf/r2_zenki/r2zenki_05.pdf ]

※上記URL:国立大学法人静岡大学HPホーム > 入試情報 > 過去問題 > 令和2年度 > 前期日程 > 数学

※過去8年分が公式HP(下記URL)から閲覧できます。(2021年8月18日時点)

※掲載終了している可能性もあります。

参考URL『国立大学法人秋田大学HP>入試情報>過去問題』
https://www.akita-u.ac.jp/honbu/exam/ex_pastissues.html

まず、実際に解いてみて欲しい。

頑張って。




解けたでしょうか?



それでは解答解説をしていこう。

解答・解説

概評

秋田大学は偏差値42.5〜62.5の国立大学(2021年8月18日時点 パスナビ調べ)。

この大問7からは医学部受験者のみ解答する問題のため、他の大問に比べてなかなか歯応えがある。

大問7は確率の問題だ。

難易度としてはGMARCHレベル以上早慶上理以下だろうか。

処理は基本的だが、状況の整理と把握がなかなか大変そうだ。

また、目安時間を20分に設定したが、この問題での答案作成の20分は答案を書いている時間がほとんどで、方針決めに多くの時間を割いている余裕はない。

(1),(2)は1分以内に解答の方針を決めて解答作成、(3)でも2,3分で解答までの方針決めを終えて解答作成に取り組まなければいけない。

また、方針決めで誤った方法を選択していると時間が厳しくなってしまうため、方針決めだけはちゃんと時間をとって誤りのないようにしたい。

以下解答解説では方針決めまでの発想の言語化に注力しているため、こういった問題での方針決めの参考にしてもらいたい。

それでは解答を見ていこう。

(1)条件付き確率、整数

解答

解説

まず、問題文から条件付き確率であることはすぐに分かる。

気付けなかった人は「〇〇のとき、△△の確率を求めよ」の構文は条件付き確率なので把握しておこう。

そして、条件付き確率の基本解法は2つの事象を設定して全体(A)と共通部分(A∩B)の確率を求めるということから解法の方針が決まる。

当然与えられている条件によって考えることが変わることはあるが、大きくは上記の認識で問題ない。

あとは自分で「x1+x2+x3が2で割り切れる」の言い換えができるかどうかということだ。

「2で割り切れる」のは「偶数」。

そして、偶数・奇数の和や積に関する問題は簡単で、考察対象が偶数と奇数の2択しかないわけだから分からなければ偶数か奇数で実際に何パターンか試してみればいい。

今回考えるのは

  • すべて偶数
  • 2つ偶数で1つ奇数
  • 1つ偶数で2つ奇数
  • すべて奇数

の4パターンだけ試してみれば良い。

このうちどれが条件を満たすかを考えていき解答となる。

今回は事象を整理した結果「少なくとも」がある問題文ではあるが余事象は考えなかった。

「少なくとも」や「または」は余事象を考えるきっかけであったり有効な場面が多くはあるが、「必ずしも余事象!」というわけではない。

問題文を言い換えることで状況整理をして、その上で有効なら用いていこう。

(2)余事象の確率、整数

解答

解説

解答は2行目からすぐに余事象を用いているが、今回重要なのはなぜ余事象の解法が有効だったかということだ。

まず、「積x1x2x3が4で割り切れる」、すなわち、「積x1x2x3が4の倍数」という状況を整理すると

  • x1、x2、x3の少なくとも1つが4の目
  • x1、x2、x3のうち少なくとも2つが2または6の目かつ4の目が出ない

を考えるわけだが、これはどう見ても直接考えるのが大変。

直接求める方法を選択してしまった人も、改めて上記の状況を見れば直接求める方法を選択しないのではないだろうか。

では、余事象はどういう状況になるのかを考えてみる。(もしかしたら余事象を求める方がより困難かもしれない)

「4で割り切れる」の余事象は「4で割り切れない」であるが、更に言い換えると

  • x1、x2、x3がすべて奇数
  • x1、x2、x3のうち1つが2または6の目、他2つは奇数の目

ということになる。

ここで元の事象と余事象でどちらを求めるのが簡単そうか比較して、余事象での計算を選んだ、ということだ。

ここまでの思考が時間にして1,2分程度で、方針が決まった以上は解答は止まることなく答えまで書いていきたい。

(3)場合の数、確率、整数

解答

解説

今回、何から考えれば良いか悩んだ人が多いであろうこの問題。

難しい問題こそ問題文全文を把握するのではなく、部分部分を言い換えて示すものが分かりやすくなるようにしていこう

(変数が7個でそれぞれが動くからとんでもない数の場合分けが必要そう)と思ったのではないだろうか。

事実場合分けはあるのだが、その前に何が言えたらこの問題を求められるのかを考えよう。

今回の結論が「〇を△で割り切れる確率」と言い換えると、とてもシンプルな問題に見えないだろうか。

言い換えれば、「〇が△の倍数である確率」となる。

つまり、「x12(x2+x3+x4)がx5x6x7の倍数である確率」だが、解答では更に分数表記へ言い換えた。

その方が自分にも読者にも分かりやすいと思ったからだ。

言い換えに苦戦する人もいるかもしれないが、個人的には色々言い換えてみて、一番分かりやすそうなもので示すのが良いと思う。

そのためには、まず言い換えのバリエーションを増やす練習として、普段問題を解く際にも(この問題って別の問題でこういう感じで出題されるんだな)とアンテナを貼っておくことがいいだろう。

ただし、言い換えのバリエーションを増やす前提として基礎解法はある程度すべて把握している必要がある。

基本解法の抜けが多い人はまず基本解法を身に付けよう。

その後も簡単にするために言い換えたりするをずっと行なっていくのだが、今回は圧倒的にx1が重要情報だ。

結局x1を何乗かして割っているに過ぎないため、x1を基準に考えていった結果解法に至った。

「任意」という言葉に慣れてない人もいるかもしれないが、数学では当たり前にする表現の上、偏差値65を超えてくると問題文でも普通に記述されていることがあるため慣れておこう。

「取れる範囲の中で自由に選んでいいですよ」ということだ。

「任意のx>0に対して」のような表現は「0より大きいxで全て当てはまります」くらいに捉えたらいい。

少しずつ問題文にも慣れていこう。

さいごに

確率と整数という数学Aセットみたいな問題で解いていて新鮮だった。

個人的にはそこまで(面白い!)と感じる問題ではなかったが、(3)のx1の指数部の2が個人的には好きだった。

あの条件があるだけでかなり受験生に寄り添ってくれているように思う。

今回は確率が主体な問題であったが、自分はまだ整数に苦手意識が少しあるため、整数の学習もしたくなった。

解いた方お疲れ様でした。

これからも頑張っていこう。

その他過去問を解く人はこちらから → 『特集 過去問振り返り まとめ

本ブログの解答解説は大学が公式に発表しているものではなく、あくまでブログ著者が独自に執筆した解答であることをご了承ください。
尚、解答解説の作成・公表にあたり十分に注意をしておりますが、万が一解答に誤りがあった場合にも責任は負いかねます。
コメントいただければ確認、修正致します。
何卒よろしくお願い致します。

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