2020年度岩手大学の過去問を解いたので解答・解説をしていく。
今回は前期・理工学部の問題を解いた。(理工学部以外の学部や後期の問題ではないので注意)
それでは、早速見ていこう。
問題(大問5)
目安時間:24分
2020年度 岩手大学 前期日程 理工学部 数学
[ https://www.iwate-u.ac.jp/upload/images/032.rikou_sugaku.pdf ]
※上記URL:国立大学法人岩手大学HP 過去問ページより 2020年度 前期日程 理工学部数学
※過去3年分が公式HP(下記URL)から閲覧できます。掲載終了している可能性もあります。
参考URL『国立大学法人岩手大学HP-過去問題-』
https://www.iwate-u.ac.jp/admission/disclosure/past.html
まず、実際に解いてみて欲しい。
頑張って。
解けたでしょうか?
それでは解答解説をしていこう。
解答・解説
概評
岩手大学は偏差値45.0〜60.0の国立大学(2021年8月1日時点 パスナビ調べ)。
大問5は楕円と回転体の体積の問題だ。
難易度としてはかなり標準的で日東駒専レベルだろうか。
GMARCHレベルはないだろう。
1問1問が基本的で重要な問題になっているため、楕円の基本は抑えたけど演習足りてないという人にはいい問題なのではないだろうか。
それでは解答を見ていこう。
(1)楕円の方程式
解答
解説
楕円の方程式は頂点や焦点、長軸や短軸の長さを与えられることで求めることができる。
(他にも円からの変形や軌跡についての問題などもある)
その中でも頂点が与えられた際は特に計算が必要なく直ちに求めることができるため、ここは確実に抑えておきたい。
軸上の場合は各頂点がそのまま分母になることを知っておこう。
また、その後陰関数を陰関数のまま扱うのは難易度が高いため、y≧0という条件を与えて陽関数の話に切り替える。
「y=」の形が作りたいと思えば式変形は2次方程式を解く方法と同じだ。
2乗すると全ての実数は正の値になるため、2乗から次数を下げる時は必ず正負の条件に注意するよう気をつけよう。
(2)定積分、置換積分
解答
解説
「平方根のa2-x2」という有名な形の置換積分の問題。
覚えていた人はそれでいいが、ここではなぜ三角関数への置換が有用かを数学の専門用語などを用いず自分の表現で述べておきたい。
sinやtanと置換する場面があったことは覚えている人が多いと思うが、ではなぜsinやtanの置換すると上手くいくのか考えたことはあるだろうか。
それは、三角比の特徴として「2乗に強い」というものがあるからだ。
xの2乗はxの2乗以外の意味持たないが、三角比の2乗は三角比の相互関係によって様々な形への式変形が可能なのだ。
つまり、積分に置いて2乗の情報があった時に、なんのヒントも脈絡もないかもしれないが、三角関数に置換することでまだ式変形の余地があるということだ。
積分や通常の式変形において、2条の形があって、どうしても手詰まりという時は発想の一つとして三角比への置換を持っておくといいだろう。
置換後はいつも通り範囲を調べ、計算ミスないように計算をしていけばよい。
(3)回転体の体積
解答
解説
回転体の体積が直接求められない場合は、足したり引いたりしながら求める部分の体積がどうやって求められるかを考えよう。
「(上の関数)ー(下の関数)で求めれば良い」と習った人もその通りではあるが、計算は楽に越したことはない。
微分積分は特に計算力が求められるため、なるべく計算が簡単な形に持っていこう。
今回は楕円で2乗の計算も楽で、かつ、三角錐の体積を求めることも簡単であることから解答のような発想に至った。
(楕円のy≧0での方程式)ー(直線の方程式)で解いてもいいが、今回は上記のような解答が解きやすくていいだろう。
イメージが難しい場合は図示しながら考えると良い。
定積分の計算は数Ⅱでも扱う整関数(xnの関数)の積分であるため割愛。
さいごに
公式の模範解答はこちら
https://www.iwate-u.ac.jp/upload/images/050.zenki_kaitourei_2.pdf
参考URL:国立大学法人岩手大学HP 過去問ページより 2020年度 前期日程 解答
楕円は受験生で苦手な人が多いテーマではあるが、このレベルの問題は抑えておきたいところ。
自分もこの問題をきっかけに色々な楕円の問題を見直したので良い復習の機会となった。
実際に(ここの体積求めたいなぁ)という場面に出会ったら上記のような手順で求められることが分かっていい問題だった。
これからも頑張っていこう。
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